オレが子供の頃は、天ぷら屋で(コースの最後に出される?)かき揚げは、必ずゲソが入っていた。
今は、小柱とかアサリとか小エビとか、そんな小洒落たモンが入っている。
多分だけど、イカは丸ごと仕入れて、頭はイカ天に使用して、余ったゲソをかき揚げに流用していたんだと思う。
昔の小料理屋はみんなそんな感じだった。
刺身を出しているところはアラ炊きを出していたし、アラ炊きに使わなかった大根の葉っぱは、漬け物や味噌汁の具に流用していた。
いつからなんだろう?
高校ぐらい(30年前)に天ぷら屋に行ったときには、既にかき揚げがゲソ天じゃなかった様な気がする。
喰いモンもカンバン方式(ジャストインタイム生産システム by トヨタ自動車)になっちまった。
必要なモノだけを必要なだけ仕入れられるのは、便利なんだろう。
イカのゲソだって、他のゲソだけが必要なところに廻るんだから、素材を無駄にしている訳じゃないと思う。
けど、ちょっと何かを失った様な気がしないではない。
食文化の幅という面では、余り物に頭を使うと云うのはいいことだと思うけど・・・。
ママが余り物でちょちょっと作ったお通しで、店の実力が判断出来るよね?
そう言うの好きだったけどなぁ~。
肉に関してはオレが物心つく以前から、料理屋は部位で仕入れていた。
でも、お肉屋さんは、一頭で仕入れて、店舗で捌いていたよ。
今は肉屋も一頭丸ごと仕入れているところなんか、ほとんどないんじゃないかな?
まあ、肉屋自体が少なくなってるか。