大学時代。
好きだった女性と別れた。
彼女は、既婚者だったから、不倫を精算したと言った方がいいのかな?
その1年後ぐらいにグループで飲み会があった。
彼女も当然来ていた。
二次会のカラオケで、チェッカーズの「あの娘とスキャンダル」を入れた。
当時の僕の十八番だったので、何の考えも無しに・・・。
歌は2番に差し掛かって、
「あいつのとこへ ウォウ ウォウ ウォ 帰るとお前 泣きながら・・・」
を歌っている所で、歌うのをやめてしまった。
別れの場面を思い出したから、カラオケの事など頭から飛んでしまった。
将来の話、別れ話をした公園、罵り合って、彼女は泣いて、最後につかんだ腕を振りほどかれた事、去っていく後ろ姿。
色々な事が頭を駆け巡って、一人の世界に入ってしまったからだ。
どのぐらい経ったのだろう?
『実話、禁止!』とか冗談半分に言って、友達が演奏中止を押した。
そこで、我に返った僕は、居たたまれずに、トイレに立った。
顔を洗って戻ろうとすると、彼女が部屋から出てきた。
『ごめん・・・。こういう時は女性が席を立つのに、いたたまれなくて出て行っちゃった。』
部屋に残された彼女はどんな思いだったかな?
悪い事をしたと思った。
なんて考えていると、彼女がぽつりとつぶやいた。
『私もいろいろと思い出したよ。涙でにじんだハーバーライトとか。』
色々とあるけれど、とりあえずつき合ってみようと言う事になったのは、横浜のホテルでの事(まだ、インターコンチは無かったから、どっかその辺)。
あの時、彼女は泣いていたんだ。
「プールサイドで ウォウ ウォウ ウォ 口づけの後 泣いてたね 背中抱きしめ 涙でにじんだハーバーライト」
の歌詞、そのままだった。
同じ歌で、オレは別れの場面を、彼女は始まりの場面を思い出していた。
その時、オレが作った名言。
「男は別れを後悔し、女は出会いを後悔する」
どう?
いいでしょ、これ?
みんな、使っていいよ(笑)!
これってあるよね?
男はさぁ、「最後に別れちゃって残念だけれども、つき合っているときは色んなコトして、それはそれで楽しかったよね」って感覚。
つき合っていた頃も、歴史の一部だし、それはそれで大事にしたいと思っている。
でも、女は違う。
別れ際に、よく言われるのが、「出会わなければ良かった・・・。」
えっ?!さかのぼって、全否定かよっ?!Σ( ̄▽ ̄ι)
出会いから別れまでのストーリーをそっくり全部記憶から抹消しようとしているの?
これは男には理解できない。
ララアがアムロに「どうして、私達、出会ってしまったの?」って言う場面があるけど、さすが富野(ガンダムの原作者)はこの辺の男女差をわかっていたんだなぁ。
男の頭じゃこの台詞出てこないよ。
P.S.
勝手な推測だけど、
「出会い」に関しては、男が告白(こく)って、女は待つだけ。
「別れ」に関しては、女が言い出す、男は突然。
だからなのかな?
アンコントローラブルなモノを”運命”と呼んでいるだけなのか?