訳語が日本を植民地から救った?

明治期の文明開化のとき、西洋の概念を取り入れる為に、日本は和製漢語を大量生産した。
俗に言う訳語というヤツだ。

人間は言葉で物事を考える。
なので、言葉(単語)が無いものは、概念自体が存在しない。
これホント。
頭のよい子に育てるには、語彙を増やす様にすればいいし、ある分野について精通しようとするならば、その分野の(専門的な)語彙を増やす様にすればいい。

文明開化して、列強の仲間入りをする為には、西洋の概念、文化、先端科学を学ばないといけないので、その先駆けとして大量の訳語を生産した。
「サピア=ウォーフの仮説」が発表される遙か以前に、地でこれを実証した様な感じだ(笑)。

ほとんどが、西周か福沢諭吉に依るもの。
まあ、他にも色んな人、森鴎外や夏目漱石なんかも作っている。

面白いのは、前島密(1円切手に描かれている人)。
逓信省(→郵政省→今の総務省)を作った人なんだけど、葉書、切手、為替など、大和言葉(訓読み)を元にした和製漢語が多くて、個人的にはすっごく好き(〃^¬^〃)。

これ、実は凄い功績なんだよ!
坂本龍馬より、西郷隆盛より、伊藤博文より、断然上。
訳語のお陰で、西洋の概念を日本人の頭にたたき込むことが出来たから、日本が植民地支配を受けず、果ては列強の仲間入りまで出来た、と言っても過言ではないよ。
(異論はあるだろうけど、その後の植民地解放までも考えたら、訳語がなければ、アジアのほとんどは、まだまだ植民地)

中国だって近代化出来たのは、日本の訳語のお陰だよ。
孫文だって、蒋介石だって、日本からこの訳語を学んで辛亥革命を起こしたんだよ。

「中華人民共和国」って国名だって、「中華」は中国語だけど、「人民」も「共和国」も和製漢語(訳語)だよ!
意外でしょ?
毛沢東が建国の時に読み上げた「共産党宣言」も、日本語からの重訳(ロシア語→日本語→中国語)なんだよ!
(もちろん、現在の正式本は直訳版)
現代中国語の常用単語の内、60~70%が和製漢語と言われているよ。
d( ̄▽ ̄)<マジだよ!

今はカタカナでそのまま表記するのが多いけど、どうなんだろう?
明治では受け入れがたかったけど、今は英語の素地もあるので、カタカナ語でも簡単に受け入れられるからいいのかな~。
でも、和製漢語にした方が味があって、いいと思うんだけどなぁ。
流入する新語や情報量が多すぎて、作っている暇ないのかなぁ?(ノД`)

P.S.
極論を言えば「明治維新」は施政者が変わっただけのイベント。
本当に重要なのは「文明開化」。

西周も福沢諭吉も幕府が留学させた。
徳川でも「文明開化」は出来たと思う。

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