「風立ちぬ」の「ぬ」って、添付のサイトで中国人が議論しているよ(笑)。
あいつらすげーなぁ、日本人でも難しいのに(¬∀¬)σ。
基本は過去完了の助動詞なので、『風が立った』でいいんだけど、更に『今も立ち続けている』と言う継続意味も含んでいる。
「風と共に去りぬ」の「ぬ」と同じで、『去った、そしてそのまま去っていく』と言う感じ。
だから、過去完了と言うのは後付けで、明治の頃に英文法に合わせて分類しただけで、日本語独特の言い回しなんだよね*゚∀゚)ノ。
元々、この言葉は、フランスの詩人ヴァレリーの詩で、「Le vent se leve, il faut tenter de vivre.」から。
これを堀辰雄が「風立ちぬ、いざ生きめやも。」と訳したんだけど、実はこの「めやも」もまたややこしい┐( ̄~ ̄)┌。
直訳すると『生きることを試みなければならない』と言う意味になるらしい。
らしいと言うのは、フランス語は全然ダメなので。
英語訳をみてみると、「we must endeavor to live」だから、フランス語も同じ様な意味か?
しかしながら、「めやも」と訳すと話は違ってくる。
さざなみの 志賀の大曲 淀むとも 昔の人に また逢はめやも 柿本人麻呂
と言う歌があるんだけど、この場合は、『もう一度会うことが出来ようか?(いや出来ないだろう)』と、否定の意味が入る。
なので、「めやも」は『生きなければならない』と言う使命とそれに伴う『生きられないだろう』と言う不安を一度に表した名訳と言える。
堀辰雄は東京帝大の文学部国文科、単純に誤訳ではなく、千の言葉から厳選した名訳だろう。
まあ、この辺まで中国語に訳すのは、難しいんじゃないか?(=^▽^)σ