オレが中学生の時に、スポーツドリンクが世の中に出回り始めた。
しかしながら、まだ部活等では上手く活用されていなかったので、まだまだ「練習中は水を飲むな」が合い言葉だった。
水を飲むと、汗と共にカラダのミネラルが流出して、夏バテするからだ!
今じゃあ考えられない虐待だった。
練習が終わった後に、みんなで駄弁りながら、スポーツドリンクを飲むのが定番だった。
家から凍らせて持って行くと、練習が終わった後、程良く溶けていい感じに冷たいのを味わえる。
そんなある日、小金持ちのチームメイトが、スポーツドリンクの容器に、専用のスリーブをつけてきた!
表面にゲータレードと書いてあり、”銀色に輝く”そのスリーブはまるで宇宙博で見た宇宙服の様で、21世紀からやって来た未来人が食べる未来食の様に見えた。
今の若い人に説明すると、当時の人々(大人も含む)は、21世紀になると、食事は歯磨き粉みたいなチューブで出される様になると信じ切っていたのだ!
す、すげぇ!!(*○゚∀゚O)!
宇宙じゃん!未来じゃん!21世紀じゃん!
オレは全くもって、そいつの虜になった。
凍ったのを溶かす為にガシャガシャと容器を振って、フタを開けて直飲みしている俺たちが野蛮人に見えた。
彼は華麗にチュウチュウとストローで吸っていただけだった。
何故なら、凍らせなくても冷たさキープだったからだ。
家に駆け戻って、早速母親におねだりした。
母親は「それは何の為にあるの?」と聞いてきた。
「冷たさがいつまでも長続きするんだよ。」
「なるほど、分かったわ!」
・・・イヤな予感がした。(-“”-;)
明くる日、オレのスポドリ容器は、キルティングで作った手作りのスリーブに包まれていた。
キルティングと言っても、当時のは今みたいな可愛いヤツではなくて、防災頭巾の様な感じの座布団にも使われそうな柄だった。
絶望した…(ОдО∥)。
向こうは宇宙服で21世紀、こっちは戦後のゴタゴタみたいな感じだった。
「こんなの付けているのは、一人もいないんだよっ!」(←宇宙服も一人しかいなかったけど…)
「お母さんが、冷凍庫が狭くて困るって言うから、いろいろ考えたのにぃ!」(←嘘。未来生活を感じたかっただけ)
お母さん、困らせて、ゴメンね↓┌(_ _)┐↓
宮沢りえ(Rie Miyazawa、当時16才)|POCARI SWEAT 「コロコロ篇」(大塚製薬 ポカリスエット CM 30秒)♪CO-COLO上天気(Mich Bronsnan)1989年